NHK朗読、井伏鱒二「珍品堂主人」という骨董屋の世界

読書ブログ251209
井伏鱒二「珍品堂主人」1959年昭和34年中央公論発表(一月号から9月号まで)
井伏鱒二全集第20巻所収

この小説をなぜ読むことになったか。

NHKラジオの朗読で何回か聞いていた。ものすごく読みやすそうな語り口である。女性アナウンサーが毎回15分程度である。これを終えるには30回は必要ではないかと思われる。朗読は芸術だ。人の心に静かに響く。落語とは多少違っているが、落語もラジオで聞くと味わいがある。楽譜を見ながら曲を弾くソロの音楽のように感じる。そういう心地よい音楽を聞いている風情でこの小説に出会った。そこで原本を取り寄せて読んでみた。
(と書いて女性アナウンサーとばかり思っていたが、調べると、実は講談師の田辺いちかさんである。さすがにうまい、アナウンサーのレベルはすごいななどとは思っていたが、やはり違っていたのである。聞く価値はある。)https://tanabeichika.com/

内容


この小説の背景となる時期については、戦後すぐのような書きぶりである。それにしては生活難の感じもしない。書いた時期も時期であるから、東京ではすでに戦後の焼け跡はもうなかったであろう。実際に私もこのころ東京には住んではいないが、小学校高学年だ。両親は塾に行くことを勧めた。そして私は今でいう学習塾には行っていた。中学受験が厳しいという時期に差し掛かっていた。そのくらいもうサラリーマンの家庭でも食うや食わずの生活というではなしに、少しは落ち着きのある生活ができつつあった時代であった。

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ヤマト王権成立のプロセス

読書ブログ251106
井上光貞著「天皇と古代王権」岩波現代新書、吉村武彦編、発行2000年10月16日

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この本は
彼の著作集の中から代表的な古代史に関する論考を何篇か取り出して編集したものだ。
内容は結構難しいものである。そのなかの第一編にある「日本における古代国家の形成」という章を取り上げる。ほかの章に比較して一般論を展開しているためである。
ほかの章は非常に細かい史実を積み重ねているが実のところそんなに分かっていないことの積み重ねである。古代史の限界というか、わからないことが多い中での資料と資料との間の隙間を想像して埋めるしかない事情というもののためにいくら研究してもその分からないという感じはどうしてもぬぐえない。結局は日本書紀と古事記、それに外国、特に中国と韓国の宮廷資料、一部の石碑などからしか証拠的なものが出てこないので仕方ないというところである。いくら古代国家成立論というものを大見出しにしても実のところそこがはっきりしていないということが色々な本を読んでみて私には最近分かってきて納得しているところである。

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倭の五王を知れば何が分かる

読書ブログ251009
河内春人「倭の五王」王位継承と5世紀の東アジア、中公新書、2018

この本を読了したが、読んだというだけである。この本をかいつまんで説明する事も解説することも非常に難しい。古代史の知識があまりないので仕方ない。
そこで今回のこの本の紹介ではあるが、暫定的なものであり、ごく私的な感想と思ってください。
古代史には非常に興味がある。しかしいろんな本を読んでも出てくる名前の漢字の難しさや読み方が分からないためにどうしても理解が深まっていかない。特に天皇の話になると書いている著者本人はよくわかっているのだろうけれど読んでる側は天皇の順番も知らないので、それもわかってこない。だからざっくりでいいから、1世紀から6世紀くらいまでの分かり安い構造を教えてくれないかといつも思う。つまり古代天皇制はどうやって成立したのか。

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網野の蒙古襲来

250827

網野義彦、蒙古襲来、岩波書店、2008年、網野義彦全集第5巻(全18巻)

蒙古襲来を続けて取り上げる。

前回はモンゴル中心の旗田巍の本から理解できたことがあった。そこでさらに今回は網野義彦の蒙古襲来を紹介して見たい。また別の興味深い視点がある。

朝鮮の歴史についての固有の観念が歴史の見方を左右する。

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蒙古襲来、海外からの視点

 読書ブログ250801

旗田巍著 元寇蒙古帝国の内部事情 中公新書 昭和40年9月発行(1965年)

今回はこの本を紹介していきたい。

この本は蒙古襲来と言われている日本の二回の元寇について蒙古、高麗側からこの戦争を描いたものだ。なぜこの本を読むようになったか。それは高橋典幸編 中世史講義(戦乱編) ちくま新書、2020年4月発行、から示唆を受けたものである。これに半世紀以上前の著作であるが、歴史を見る視点を変えることは現代人にとって重要であることを教える。中世史講義の当該箇所の最後に4,5冊紹介されている中の一冊である。多分この高橋氏にとっては重要参考文献ということではないか。

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移ろいやすい世論の実像

「世論」W.リップマン、掛川トミ子訳、岩波文庫 1987年初版(原著は1922年発行)

この本をなぜ読むか

米国大統領選、ブラジル選挙、インドの選挙、ジョージア選挙などの選挙、イスラエルニュース、ウクライナ報道、ロシアの動向、フェイクニュース、自民党の総裁選、日本の衆議院選挙、ガザ報道、こういうテレビニュースや新聞報道はどの程度世論に影響を与えるものなのか。あるいはこの報道の裏には何があるのか。世論を構成する大衆・公衆はどんな力があるのかないのか、そのことが霧に包まれるごとく曖昧模糊として、分からない。特に選挙行動にどのような影響を与えているのだろう。というわけでこの本にはその種の事に関する示唆があるのではないかと思い手にした。「世論」とは何か。「世論」というキーワードはどれ程重要なのか。リップマンの本ともう一つ「マッカーシズム」(R.Hローピア著)はアメリカの政治の一端を垣間見させてくれるものだ。理解しやすいことを期待して読んだのであるが、なかなか難しい本である。また、なかなかとらえどころのない本である。本当によくわかったかと言われれば分かりにくいとしか言えないが、中間的なまとめとして報告していきたい。またさらにこの本だけでは理解できないのでリップマンのすぐこの著の後に書いた「幻の公衆」(川崎義紀訳、柏書房2007年、原著1925年)も読む。

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今一番必要なことは暴力ではなくソクラテスの対話だ。

ソクラテスの「弁明」「クリトン」「パイドン」

(中央公論社、田中美知太郎、池田美恵訳、1966年発行)

戦争とその解説者たち

我々の時代には戦争などありえないと思っていた。ベトナム戦争で戦争は終わったはずだった。しかし世界は戦争をし続けていた。それは局地戦的なものでしかない。いわゆる紛争と言われるものだった。しかし今や本格的な国と国との戦争が起こった。戦争は端的に殺し合いとなっている。ウクライナ、ロシア双方で10万人以上の死者を出している。またパレスチナの人々は3万9千人すでに死んでいる。(24,07,23現在のニュースで)

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ヨセフスの自伝から今のイスラエルを思う

フィラウィス・ヨセフス「自伝」秦剛平訳、山本書店、1978年

(前書き山本書店主、解説、あとがき秦剛平)

なぜこの本を今読むのか

イスラエル問題の現在、いつ終わるとも知れないガザの苦難、ハマスも悪い、イスラエルはもっと悪い、特にネタニヤフ政権はもっとひどい。(オランダハーグの国際司法裁判所はプーチンとネタニヤフに犯罪者として裁定を下した)ことに、今年のアメリカの大統領選挙、インド、ロシア、6/3にはメキシコ女性大統領が誕生するというニュースがあった。そういう世界で選挙の年と言われており、その選挙結果によりウクライナやイスラエル。ガザ問題の世界での扱いが大きく変わる可能性がある。私は、戦争というものの悲惨さ、過酷さ、フェイクな情報戦、、協力する陣営の対立、弾薬工場の増産活動(背後にある産業間の戦争でもある)戦時体制、制裁回避、国内政治の動向による政治家や政策の不安定さ、i1枚岩ではないヨーロッパ、NATOの動向などTVニュースや新聞で毎日読んでいる。やはり強いやつが強いだけだ、との感は否めず。国連決議も弱く実際の行動までにはいかない。グテーレス議長が何を言っても事態は変わらない。

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反戦歌はどこへ行った?

鶴見良行著作集2,べ平連、みすず書房、2002年6月(著作集は全12巻、大体一冊、500ページ、7000円程度)

「志の女」ジョーン・バエズ

この著作集の中のこの巻は大体べ平連で活躍していたころの著作、というか収録されている単行本はなく、雑誌に書き散らしたものを集めたものだ。解題によれば、ジョーン、バエズの記事は1967年朝日ジャーナル2月19日号で発表とある。朝日ジャーナルのあった時代のことである。

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